2009年10月01日

9月26日

9月最後の土曜日は、未来で所属している選歌欄の名古屋歌会に参加。

野口あや子さんの『新彗星 vol.3』掲載作品「Re:Re:Re:白梅」のレポートを担当する。

別れを巡るストーリー性と視覚をキーワードにまとめた。

 性愛歌。うたってうたってうたったら私に欲情してくれまいか

 誰に対して優しいのだろうこのひとは珈琲いつも少し残して 

 大嫌いとはっきり言えば言うほどに組み癖のある脚のくるしさ

 ぼろぼろの挽き肉食べてまたという君を蔑みきれないでいる

 千円札つまんでひらひらする仕草さみしすぎると目をあけていた


『新彗星 vol.3』巻頭は笹井宏之さんの追悼特集。
別れを巡るストーリーは笹井さんとのお別れにもかすかにリンクしていると感じた。

学生時代からも「誤読の女王」の異名を取るわたくしとしては、
レポートや評論会など「読み」を披露する場は正直苦手なのだけど、
上に提示した一首目のうたにどうしようもなく心を衝かれて
今回引き受けたのだった。

歌会で大辻隆弘さんご本人と『時の基底』についてお話しする機会があった。
最近、短歌の時流に積極的に触れたいと思っている。

この場所で小さく尖っていてはだめだと感じているからかもしれない。
次号新彗星で新作を発表するけど、
育休という名のロングバケーションが明ける前に
大きい創作に取り組みたい!という気持ちが高まっている。


まだ熱を帯びているのをたしかめる 夜風に戦ぐ電信柱

   (なお)
posted by てんどうなお at 12:37| 東京 曇り| Comment(10) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月28日

アジサイコレクション

ここ数ヶ月は時間を見つけては創作(短歌)とテニスに打ち込んでいる。
今年五月に挑戦した新人賞、結果はともかくとして久々に集中して取り組めた気がする。
ビバ育休!

今となっては季節はずれだけど、当時資料としてながめていた紫陽花を詠んだ名歌たちです。


斑らなるひかり散りゐて紫陽花はつめたき熱の嚢とぞなる 葛原妙子

紫陽花の一花(くわ)を切りて冷蔵すとざせる白き氷室の中 同(以上『薔薇窓』)

紫陽花のむらがる窓に重なり大き地球儀の球は冷えつつ 同

晝の視力まぶしむしばし 紫陽花の球に白き嬰児ゐる 同

止血鉗子 光れる棚の硝子戸にあぢさゐの花の薄き輪郭 同(以上『原牛』)

淡青と薔薇いろのあぢさゐの玉を配す花は配在のためにゆめみる 同

しづかなる雨降りいでて止みしよるあぢさゐの花硫黄を含む 同(以上『朱霊』)

ライターもて紫陽花の屍(し)に火を放つ一度も死んだことなききみら 塚本邦雄『緑色研究』

家はなお彼方に在るをあじさいの駅過ぎてより愛は暴(あ)れ初(そ)む 岡井隆

あぢさゐの濃きは淡きにたぐへつつ死へ一すぢの過密花あはれ 同

あぢさゐは道をせばめていつよりか庭の眼(め)なれや時(とき)を視(み)つめて 同

あぢさゐに大かたつむりみどりごにはじめての歯のあはきよろこび 同
posted by てんどうなお at 22:15| 東京 曇り| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ヒマワリコレクション

向日葵を詠んだ名歌のアンソロジー。

夏に誕生した友人の子の名にちなみ、まとめたものをプリントして今日会って渡してきました。
花の咲く様子から人の姿に重ねあわせられ、擬人化されているうたがたまにあるのがなるほどと。向日葵のちょっと影がかったうたもぐっとくるものです。
やはりテラヤマはしびれるなぁ。大好き!
大塚寅彦のひまはり、地味にいい。すごくいい。
天野慶さんは先日第三子ご出産おめでとうございます。

今のところ家にある歌集から引っ張ってきた分だけなのだけれど、世にはもっとたくさんあるんだろーなー。

図書館に住みたい。



髪に挿(さ)せばかくやくと射る夏の日や王者の花のこがねひぐるま 与謝野晶子

輝やかにわが行くかたも恋ふる子の在るかたも指せ黄金向日葵 与謝野鉄幹

向日葵は金の油を身にあびてゆらりと高し日のちひささよ 前田夕暮

道化師と道化師の妻 鐵漿色の向日葵の実をへだてて眠る 塚本邦雄

花了(お)えて黒き実垂るる向日葵は同じ姿勢で一日(ひとひ)庭に立つ 宮柊二 

一粒の向日葵の種まきしのみに荒野を我の処女地と呼びき 寺山修司
列車にて遠く見ている向日葵は少年のふる帽子のごとし 同
わがシャツを干さん高さの向日葵は明日ひらくべし明日を信ぜん 同

雨を浴び結実のときを揺れて立つ向日葵または裸形の男 島田修二

首細き向日葵を揉む風ありて「過ぐる治承」と言ふ低きこゑ 黒木三千代

粗布しろく君のねむりを包みゐむ向日葵が昼の熱吐く深夜 春日井健

ひまはりの花の高さに微笑める少女とありし夏の日盛り 大塚寅彦

ひまはりのアンダルシアはとほけれどとほけれどアンダルシアのひまはり 永井陽子

はめ殺しの小さな窓によりかかり遠い向日葵胸に咲かせた 東直子
ひまわりの擬態を一晩したままであなたをここに待っていました 同

ひまわりは夏しか知らない花だから 光も熱もこぼさずに咲け 天野慶
posted by てんどうなお at 21:57| 東京 曇り| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月02日

探偵!ナイトスクープ(リターンズ)

探偵!ナイトスクープが好きです。

今住んでいる地域に引越しが決まったとき、前職の先輩が「ナイトスクープとノブナガが見られて本気でうらやましい!」と言っていたのが忘れられない。

そんなわけで見続けています。

たまに「リターンズ」と称して過去の放送をまるっと流す放送があるのですが、ちょっと気になる回が。

本放送は1997年01月31日のこの依頼↓

「高1の時、卒業生が残した「PTA時報」の意味深な言葉「 希塩酸とは薄い塩酸の事である。 希望とは望みが薄い事である。 この格言を 1年 C組17番の君に託す。 二代目正統継承者 熊虎 」が 3年経った現在も気になるので、書いた本人を探してほしい 」という浪人生からの依頼。


この先輩の言葉が超有名歌人の作品に酷似。
(たまたまその週読んでいた。)

塩酸をうすめたものが希塩酸ならば希望はうすめた望み

このうたが発表されたのは、1999年03月。

偶然似てしまっているのはアリエナイとして、これがいわゆる短歌化の実例?

だとしたらガッカリ。

桂小枝に依頼してみるか。



※2009年10月1日追記※

枡野浩一さんご本人より、下記のコメントをいただきました。
コメント欄をお読みください。

桂小枝に依頼は必要ないようです。

枡野浩一さんありがとうございました。

なお、希塩酸のうたは
『ますの。』(実業之日本社/1999)より引用しています。
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学生時代(10年前)二十歳の私はこの歌集を真似して
超極太フォントで学生の短歌をプリントし
キャンパス中に貼りまくった思い出がありますの。
早稲田短歌会の勧誘ポスターです。
このときの私にこの歌集が与えた影響は計り知れません。

事実を親切に教えていただいてよかったです。
posted by てんどうなお at 23:03| 東京 曇り| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月24日

洗濯物がよく乾く日

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外は雲早足で行き交う日ゆえ
部屋にクレメンタインの香あれ

(なお)

ジュンパ・ラヒリの『その名にちなんで』を読む。

アメリカはボストン・ケンブリッジを始まりとして、ゴーゴリと名付けられた男の子の歩みが描かれる。

学生時代にひと夏を過ごしたボストンが舞台だからか、翻訳の妙か珍しく頭にすいすい入ってくる。

主人公がインドの人だから紅茶がたまに出てくる。お昼は柑橘のピールが入ったべーグルと紅茶。午後も読み進めます。

この見晴らしのよい部屋で(やや田舎だから)灯台守のような暮らしは今しばらく続く予定。
posted by てんどうなお at 14:00| 東京 晴れ| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月09日

自由な感じ

海鳥のまなざしをした二人なら
赤道越えて何処でもゆける

(なお詠む)

大学時代友人の結婚パーティーやお披露目会が連日続く。miu miuのヒールがきちきちで躔足ってこんな感じ!?

昨日はブラジルで暮らすことになる美男美女カップル。

今日会ったカップルはハネムーンに、ロンドン、バルセロナ、タンザニア、ペルーと地球一周しちゃったグレートジャーニーなお二人。

集いし面々も0歳児から篠笛奏者、起業家、着物のメンズなど会場も自由な風が吹いていました。
posted by てんどうなお at 20:38| 東京 霧| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月29日

命名


そらうみの青澄みわたり
おさなごよ
志もつ帆となりてゆけ

   (なお詠む)

先日大事な友人の一人が赤ちゃんを出産!

とてもステキな名付けで、報せを受けてほぅ〜っとふんわり嬉しく思ったのでした。

名前を目にしたとき、すっと思い浮かんだのは、空の青と海の青を背景にすっくと立つ白い帆のイメージ。

インスパイアされてうたが出来たので、彼女と赤ちゃんに届けました。


私の詠むスタイルは、二通りある。
たったひとりの誰かに届くようにメッセージとして言葉を紡ぐ方法。

自分自身の内に見えた世界をくっきりと鮮やかに映し出そうとする試み。


衝動的に、ありのままの自分として詠んでいきたいと切実に思う。
posted by てんどうなお at 23:09| 東京 晴れ| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

思い切れず

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真夜中にとぎれとぎれに瞬いて
きみがいよいよ駄目になってく

(なお詠む)

社会人生活三年目に奮起して買ったデスクトップ。最近調子が悪く、リカバリしても状況は変わらずいよいよかしら…。


五万円ノートに乗り換えるか悩みどころ。

データは外付けに保存してあるし、テレビ番組もこれで録画しないので思い切ってほかしてしまえばそれまでなのだけれど。


激務と恋と将来を東京で思い悩んでいた頃、杉並区の片隅のワンルームで私とともに生活していた可愛いVAIOくんなのでなかなか思い切れずにいます。

意外と思い切りの悪い自分自身に気付いてしまった(笑)。
posted by てんどうなお at 17:31| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月08日

記念日でした。

Image1448.jpg

この味がいいねと君が言ったから
7月6日はサラダ記念日

(俵万智)


もちろんその宵は、冷しゃぶをぽん酢と九州柚子胡椒でいただきました。
posted by てんどうなお at 09:48| 東京 雨| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月05日

しびれた一夜



緋の河に夢は流れて
対岸に届こうとする右手が燃える


(なお)


レイト・ショーでレッドクリフPartUを見る。


きわめて紋切り型の、出尽くしたキャラクタイメージを裏切らないストーリィであるけれど。

しかしながらその昔コーエーの三国志ものRPG攻略に過去多大な時間を費やした私。

背中合わせの戦闘や美しすぎる殺陣、知略に長けた参謀がそよがす扇エトセトラ数々のシーンに血がざわざわ。



しびれながら夜道を帰りました。
posted by てんどうなお at 06:56| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする